「えっ!?えっ!?」

莉奈は戸惑い、後ろへ下がる。しかしすぐに莉奈の背中は黒板に当たる。光貴は逃げ場を失った莉奈を捕まえるように莉奈の顔の近くに両手を置いた。少女漫画でいう壁ドンだ。

「……ッ!」

男性とはこんなに近い距離に立ったことなどない。莉奈は恐怖と恥ずかしさが込み上げ、光貴から目を逸らす。しかしすぐに「俺だけを見てろよ」と耳元で言われ、莉奈はびくりと体を震わせた。

「俺、お前のことが好きだ。俺と付き合ってほしい」

光貴の目を莉奈が見た刹那、光貴は優しく微笑んで莉奈に言った。莉奈は怖がっている人に告白をされているのだ。

「えっと……その……」

莉奈は男性が怖く、恋愛などしたことがない。初恋すらまだなのだ。だから、言うべき答えはNo。しかし、目の前で莉奈を見つめ続ける光貴の顔は緊張からか鋭いものに変わっていく。

「……こ、こちらこそお願いします……」

莉奈は光貴の圧力に負け、告白をOKしてしまった。その途端にふわりと光貴は笑顔を見せる。