「そんな悩みを抱えていたのか?」
「はい。自分でもはっきりと意識していたわけではないのですが……でもようやく、昔の私を抱きしめてあげられそうです。頑張ったねって、言ってあげたい」
「エイミは強いな……」
「ジーク様のそばにいるためなら、いくらでも強くなれるんです」

 そう言ったエイミにジークは優しく微笑んだ。

「いや。でも、やはりエイミの両親にはなにかお詫びの品でも……一晩世話になったことには違いないのだしな」

 真面目なジークはあれこれと考えこんでいる。ふと思いついたことがあり、エイミは言った。

「それなら、妹達に……ミアとアイリーンにいい嫁ぎ先があれば世話してやってくれませんか?」

 あのふたりなら世話する必要はないかも知れないが、故郷の村は相変わらず女あまりだった。それに、お金に目がくらみやすい両親だから少し心配だ。