「よし!藤さんがデレた記念に駅前のクレープ屋に行こ!!クレープ食べて空を見る!!」

「ちょ、ちょっと待って!」

「待てない!!」

瑠璃は沙織の手を引き、走りながら駅前に新しくできたおいしいと話題のクレープ屋へと向かった。



「私、メイプルバターにしようかな〜。藤さんは?」

「……ブルーベリークリーム」

目を輝かせ、クレープを注文する瑠璃を見て沙織はもう諦めたようだ。抵抗をする様子もなくクレープを注文し、受け取る。

「ラッキー!ここ空いてるよ!」

瑠璃がベンチを見つけ、腰を下ろす。まるで子どもがおもちゃをもらった時のようなはしゃぎっぷりに、沙織に「いつもこんなテンションで疲れないの?」と訊かれてしまった。

「全然!これが普通だから」

瑠璃はそう言い、クレープにかぶりつく。口の中に広がってくる甘さに眠気は一瞬で吹き飛んだ。

「んん〜……。おいしい!!」

フニャリと笑い、瑠璃はクレープをどんどん食べていく。青い空下で食べる甘いものは遠足気分があって楽しい。