同窓会当日。



「咲良ー!行こー!」
「う、うん」



郁恵が家の前まで迎えに来てくれて、私たちは会場へと向かう。



大丈夫かな。私。



「ほらほら、着いたよ!」



道中、郁恵と話しているとあっという間に着いたようで。



「あ、えっと、有原です」
「有原さんね。なんか、大人っぽくなった?やっぱり変わるもんだよねー!」



受付の人、高校の時の中心人物だったうちの一人が私を見てそう言う。



「えっと、そうかな。ありがとう」
「それにしても、有原さんって、そういう服が趣味だったんだ。意外」
「そう、かな」



今日の服装は特に指定はされておらず、受付の松方さんも私服だ。
私も私服にしてきて良かった。
スーツとか着てきて、浮いたら嫌だもんね。



「うん。どこぞのヤンキーって感じ」



私の服装は確かにDQN系。
仕方ないじゃない。こういうのが好きなんだから。
受付の人、松方さんとは別れてさっそく郁恵と中に入る。



「うわぁ…もうだいぶ人来てるね」
「うん…」
「あ、郁恵!久しぶり!」
「お、もしかして有咲!?うわー、やっば!久しぶりー!」
「あ、ちょっ…」



郁恵は私なんかより友達が多くて、クラスのリーダー的存在だった。
やっぱ、こうなるよね…。
郁恵はそんな友達に連れてかれ、私はぽつんと一人に。
私はとりあえず、と思い空いてる席に座った。
しかし、どんなに待っても左右の席を誰も埋めてくれず、私はその後もしばらく一人。



やっぱり、来るんじゃなかった。



その時、



「有原さん、だよね!?うわー、懐かしー!
てかてか、あんな地味だった有原さん、こんなになるんだ!」


それは褒め言葉なのか…?
私にはよく分からず、首を傾げるだけになってしまう。



「あっはは、可愛くなってるってこと。
それで、有原さん、今何やってるの?」
「あ…」



やっぱり、聞かれると思った。
私は、こんな歳にもなって、何もしてない。
ずっと実家でこもってるだけ。



「もしかして、何もしてないの!?」
「あ、えっと…」
「まじか。ちょっとみんなー!」
「えっ、ちょっ、待って…!」



皆に言いふらす気だ。
やめて。
そう大きな声で言いたいのに、出てくるのはヒューというか細い息と、体の震え。



待って…!言わないで!



やっぱり、本当に来るんじゃなかった。
別に今更どう思われてもいいし、ドタキャンすれば良かったのかな。




その時、