願った後、土下座までして、美樹は神に祈った。

周りの目を気にせず、頭や膝、手に付いた土も気にせず美樹は、しばらく土下座をしていた。

 ふと、立ち上がったあと、美樹はぺこりと頭を下げてから、土を払う時間も惜しいのかのように走り出した。
車のところまで来ると、車の鍵を取り出して、急いで開けた。

アクセル全開にしたかったところだが、それで警察に捕まったら余計に遅くなる、と美樹は思いとどまった。
 何より悪い自分に彼は怒るだろうし、神様に嫌われたらもしかしたらもう彼に会わせてもらえないかも、とも思った。