そう思いながら、彼との思い出を思い返した。
死ぬ間際には、思い出が湧き上がってくるものなのかもしれない。

優しく笑ってくれた、彼。

彼はいつも美樹と一緒にいてくれた。

家族には虐待されていたが、彼がいたから生きていられた。
思えば、自殺を止めてくれたのも彼だった、と美樹は思った。