緩い上り坂はだらっと続いていて、下手に漕いでいける分タチが悪い。

そうか、帰り道は下り坂だもんね、そりゃ帰り道を取るよ。畜生。


「大変そうだな」


「そう思うなら代わるか降りてくれ」


「だるい」


漕いでるこっちはもっとだるいんだがな、と思いながら、結局俺は意地で緩い上り坂を上り切った。

なんでもう長袖の季節なのに俺はこんなにいい汗をかいているのだろうか。

ようやくスーパーに辿り着いた頃にはそれはもう見事に肩で息をしていたわけだが、亮は平気な顔して「ご苦労」とか言ってやがる。おのれ。