「莉茉が遊佐の所へ行って、社内でも笑ってるふたりをアンタは平気で見れんの?」


そんな事…


「…出来るわけ、ねぇだろ…」


考えただけで気が狂いそうになる。
莉茉が、他の男と笑いあっている所を見ているなんて。



「じゃあしっかりしな!私も寂しそうにしてる親友を見てるだけってのは辛いの。」


いつもは強気で、男勝りの玲華の弱い顔は初めて見た。



「…とりあえず、連れて帰るなら早く帰って。」


光る目元を隠すように玲華は俺の背中を押した。



「ごめん、ありがとう。」



それから振り返らず俺は莉茉を車に乗せ、家へ帰った。