「莉茉の事守ってるみたいだけど。空回りしてるし、いい加減にしないと遊佐に取られるんじゃない?」


“遊佐”という名前は、よく知ってる。

前に莉茉の開いたままのメールにもいた。なにやら莉茉を誘ってるみたいだったけど。

同期らしいし、同じ部署にもいたし仲がいいのは知っていた。



「ん〜……」

危ない、抱き抱える手に少し力が入ってしまった。

まだ起きてはいないみたいだけど。



「…莉茉は、俺と居るべきじゃないかもしれないな。」


俺が玲華相手に弱音を吐くのは2度目。

1度目は、莉茉に告白する時だったから。






「“俺と居るべきじゃない”…んなら、莉茉のこと手放せるわけ?」