「ダル……?」



違うの。


私、そういう意味で言った訳じゃないのにーー。



「ゴメンね、おねーさん。ご飯おいしかった。お世話になりました」



じゃあね、とダルは言って、何も残さず、私の家を去ってしまった。


ダルが去った後、その場が微かにマリンの爽やかな香りがした。