何億もの星に想いをのせて。〜何度だってあなたを〜


私は何を大切なことを忘れている気がする。

それが春と会った時、ピースとピースがハマった気がした。

私はあなたを探していた。

星を見上げては、星は私に何かを訴えている。

伝えようとしている。

そう思った。

でも、言葉を発しない。

何度考えても分からない。そんな日が数年続いた。

今も分からない。

今も分からなくて...ずっと胸だけが苦しい。


私は春の話を遮る訳にはいかないから、気配を消して2階から聞いていた。

『俺は花と付き合っていた。』

ズッキン。頭が痛い。

一体何なの?

なんでこんなに頭が痛いの?

それに、私と春は昔からの関わりがあったんだ。

だから、懐かしいと思ったのかな?

最初に会った時も懐かしい匂いがした。

その正体に私は今、納得する。


また、春が口を開けた。

『花がある時から帰ってこなくなった。ずっと待ってたのに...。』

待ってた...?わた、しを?

ーズッキンー

どんどん頭の痛さが増していく。

春...?春って誰?

私は何を忘れているの?

痛い。痛いっ。

『俺はずっと好きだった。でも、ある時から裏切られたって思ったんだ。』

裏切った?私が?

なんでっ...?私はこの人に何をしたの?

何も思い出せないっ...。

こうやって思い出さない事がいちばん辛いかもしれない。

痛い。痛い。痛いっ。

激痛が私の頭を一変に襲ってくる。


『でも、俺はまた花を好きになっていることに気づいたんだ。』

私を好き?なの、、

殺したいほど憎んでたっていってたのに...

改めてあの時のことを思い出すと『憎んでた』過去形だ。


痛い。悲しい。泣きたい。

涙が溢れてくる。

なぜ、涙が?

私は一体何を忘れているの?

なんでこんなに悲しいの?

誰が教えてよっ...!


『俺は花を好きになる資格も、ココにいる資格もない。俺は出ていく。』


ちょ、ちょっとまって。

私はあなたをっ、、

だから待ってよっ、、

そう思うけど、頭が痛すぎて言葉が出ない。

息も薄れていく。

足もなんだか、、。上手く立てなくなっていた。


春が倉庫をでていって数十秒後、私は倒れた。


春っ!春・・・。春っっ!!

待ってよ、私はあなたを...。

あなたを...。


もう一度心で叫び、意識が途切れた。




私はときどき夢を見ていた。


『花。好きだよ。』

顔が分からない。

あなたはだれなの?

私を呼ぶのはだれ?


『花が戻ってきますように。』

私を待っている、の?

『花っ花っっ。』

私を呼ぶのあなたは誰なの?

なぜ悲しそうに叫んでいるの?

あなたは何処にいるの?

ずっと探している。

私の失った記憶を。

でも、見つからなかった。

「星が綺麗だね!」

これは私。本当の笑顔で笑っている。

今の私はニセモノ。





何かが足りないの。

私の失った記憶のせいだと思う。

上手く笑えない。本当の笑顔で笑えない。

皆はこれが本当の笑顔だと思っているかもしれないけど。

何かが足りない。


「星は想いを届けてくれるんだよ。」

そうだよね。

私も星に。何億もの星に想いを伝え続けたよ。

ーーあなたはだれ?ーー

ーー私は何を求めている?何を探している?ーー

でも、何度そう思っても答えは帰ってこない。





「私が言ったんじゃんか。想いを届けるって。なのにっなんでよっっ!」

私は嫌になっていった。

何度願っても何もこのモヤモヤは無くならない。

どうしたらいいの?

そう星を見て思っていた。

そんな時、キミに出会った。

『あの、職員室の場所分かりますか?』

声が。私が求めていた声。

あの夢の声!!

やっと見つけた。

彼の方を振り返る。

息が詰まった。息が出来なくなりそう。

彼から殺気が。闇が溢れ出ている。

私は本当にこの声を求めていたの?

声が似ている人はいくらでもいる。

でも、懐かしいの。

なんでかな?


だから、まずは仲良くなろう。彼を知らないといけない思ったの。


でも、どんどん知っていくウチにわかった。

この人は私に向けて殺意を抱いいる。

でも、顔に出せるはずがない。

私は色々な人に恨まれて殺意を抱かれていた。

でも彼みたいな強くて、鋭くて胸がとても痛いのは始めて。

少し怖かった。

でも、私は彼を知っていかなければならない。

こんな所で負けてはダメ。

仮にも総長という立場。こんな弱音はダメ。

ゆっくりと知って行こうと決心した。


時には殺気を出され。

時には優しくされ。

時には切なそうにされ。

私は確信した。この人が私の探していた人だって!

だからまずは聞いてみることにした。


「ねぇ、私を殺したいの?」

最初は誤魔化された。

一瞬、殺気がてでいた気がする。それも、すぐに消され、誤魔化された。

「本音は?」

やっぱり聞きたかった。

あなたの本心。どう思っているのかを。

やっと言ってくれたね。

ありがとう。