真っ暗だ。
「裏切られた」
春が言っていた。そして、
「殺したいほど憎くなった。」
まさにこの部屋が物語って居る気がした。
必要最低限しか置かない家具。
カーテンを閉め人の出入りも少ないのかとても...なんて言うんだろう?
不気味。それが合っているかも知れない、
ごめんね...。ごめんっ、春。
1人にさして、1人にしてしまってごめんね。
春はこの部屋でずっとずっと1人だったんだね。
机の上には1枚の写真が置いてあった。
「っっ。」
春と私の写真。
傷1つない大事にしてたんだ、きっと。
おそらく、ここに1回は戻ったはず。
それか、私達の今住んでいる市の家?
場所は確定しないけど何となくなら分かる。
でも、その可能性は低いだろう。
どっちらかが大事と言えば、私との思い出が詰まったこの家。
そうだと直感した。
理由は簡単。
私が春だったらそうする。
私達は似た者同士。
お互いがお互いを求めてる。
私は春が全てなんだ。春がいない世界はありえないの。
春もそうだろう。私に毎日「好きだよ。」って言ってくれた。
だから、私達の思い出が強いこの場所にはかえってきてる。
でも、家に帰ってきてその次はどこに行ったの?
外国には行ってないよね?
日本にいるはず。日本と言っても広すぎる。
どう探せばいいか分からない。
でも、この空。この夜空を見ている。
同じ夜空を。
春はどこにいるの?
私の事は気にしなくていいんだよ?
「殺したい」って憎むほど、私のせいであなたは追い詰められた。
私が悪いのよ。だから、自分を責めないで。
そうだ!ここに帰ってきてるなら、この辺で見かけた人がいるはず。
1日も私は病院にいた。
春はその間にどこかに行った。
1日と言う短い時間に思われるがその短いじかんでさえ、無くなると探すのが困難になる。
おそらく、夜にここに来た。
あの時は夕方にでていったから。
この市の族なら何か分かるかもしれない。
今日の朝出ていって、倉庫のみんなに言われたのを思い出した。
「待ってます。」と。
実は「協力する。」とも言われた。
本当に優しいね。良い人すぎるよ...。
「もしもし、歩夢?」
私は歩夢に電話をかけた。
助けて欲しいと。
「X市の春の住んでいる周辺の族とその場所の特定をして欲しいの。お願いできる?」
こんなに頼っていいか、やっぱり今だに分からない。
でも、頼ってくれ。
その言葉を私は信じる。
「分かりました。すぐ調べてメールで送ります。」
ありがとうね。歩夢。
本当は春をハッキングしたら1番いいのだろう。
でも、ハッカーNo.1である春には敵わないだろう。
情報を隠されているだろうし。
もう夕方だ。
あれから3分後、歩夢からメールが届いた。
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花へ
X市の暴走族の件です。
スネーク
この辺りではそこそこ有名というところでしょうか。
人数は300人ほど。みな、様々な所からたまり場に来ているそうです。春を見つけるには、ここの奴らはいいと思います。
そして、
月華
下っ端は弱いが幹部は結構強いらしいです。
人数は不明。入ってくる人・辞める人が多く人は安定していません。だからでしょうね。そして、総長は女総長みたいです。
さらに、ここは連合が組まれていて各地にあるそうです。数個ですが、、、。
可能性はあると思います。
他にもできることがあればいつでも。
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ありがとう。
歩夢はハッカーとして凄いからね。
メールも早かった。
それに何か出来ることがあればいつでも。か。
その言葉だけで私は心が暖かくなった。
「・・・。」
2つとも手がかりがありそうだし。
行ってみる価値はあるよね。
まず、ここから近いスネークから行こう。
今は6時くらい。
早く春に会いたいよ。
そうとなれば、今日スネークに行こう。
8時に乗り込み。
変装はどうしよう。別にいいかな?
んー。全国一の総長の顔ってバレてたっけ?
分かんない。
組関係もあるし、念の為、変装をしておこう。
男にはならないけどね。
変装することもあろうかと、持ってきたのだ!
黒のストレートロング。
そして、乗り込む時用の黒いショートパンツとTシャツ。
最後に大事な星のピアスを片耳につける。
これは欠かせない。春から昔貰ったもの。
これで一般人の完成だぁ!!
私はファミレスでご飯を食べ、スネークの近くの公園で変装する。
あと5分。
もうすぐだ。
300人だったよね。
結構多いな。みんな知ってるかな?
春が白狼ってことは世間にバレてなかったよね?
じゃあ、春=白狼と関連づけて話してはだめだよね。
あ、8時だ。
スネークの皆さん。
お邪魔しますね。