『なんでもいいよ、花が居れば...。』
春ー、私が言おうと思ってたのに...。
「私も同じこと思ってた。」
しばらく、ショッピングモールでウロウロしていた。
とてもいい時間だった。
「春そろそろ行こっか?」
そう言って駅に向かうまで繁華街を通った方が近かった。
昼なら安全だと思ったんだけど...
「なぁ、そこのリア充。」といきなり声をかけられた。
はぁ...。この時間は邪魔して欲しくなかった。
見ると20人くらいのおじさん達が。
30代ぐらいだけど、私から見たらおじさんだ。
「俺は女に振られたばっかで機嫌悪いんだよ。特にお前らみたいなリア充見るとぶっ潰したくなる。」
おじさんの事情でしょ...。
私達何もしてないのに...。
はぁ...、やりますか。
「ねぇ、おじさん達。私達の貴重な時間をあなた達に奪われて私ね...とても機嫌が悪いの。だから少し痛いかも。」
できるだけ手加減するけど、痛かったらごめんなさい。
「お、お前ら何もんだ。」
「タダのリア充じゃないのかよっ。」
「逃げるぞっ!」
まだ5人も倒してないのに...。
おじさん達は逃げていった。
「ふぅー。弱いね...。」
あっ、服汚れて・・・ないっ!
良かった。
『花、行くぞ。』
「うん!」
その時、私たちは、手を繋いで歩き始めた。
ケンカを吹っかけられた後には何事もなく、ここ星竜へと着いた。
「春、行くよ。いい?」
大丈夫かな?
少し不安そう。
「大丈夫だよ。」
きっと大丈夫。
皆はずっと待っていた。
この日を、春を。
『あぁ。』
「皆ー!ただいまーー!!!」
私は明るい声で倉庫全体に響きわたるようにして言う。
「は、春さんっ!」
「待ってました。」
「久しぶりですっ。」
など色々だね。
良かった。
そして、ここでも・・・。
「は、春ー!元気だったか?久しぶりだなっ!良かった会えて。心配してたんだぞ。」
翔の気持ちも分かるけど、早口すぎるよ...。
「春。久しぶりですね。また会えて光栄です。これからは色々と長い付き合いになりますからね。」
最後の方は私達に向けてかな...?
歩夢、腹黒な...。
「春くーん!ずっと待ってたよ!!あれ身長伸びた?いいないいな。」
陽はあんまり伸びてないね。
ここの元幹部でも春を歓迎している。
『皆、俺・・・。』
やっぱり言うのね。
大丈夫、みんな受止めてくれるよ。と目線で春に合図する。
『俺、逃げてたんだ。この心から。でも、もし許されるならお前たちとまた一緒に仲間としていたい。・・・と思ってる。』
あれ?最後の方自信なくなっちゃった?!
『だから、また仲間になって下さい!』
うんうん。よく言ったね。頑張ったね。
春大丈夫だよ、見てみんなの顔。
みんな嬉しそう...だよ。
「当たり前だろっ!というか"また"じゃなくて"これからも"だろ?」
「そうだよぉ~。あの時から離れていても仲間だと思ってたよ?」
「春、あなたはこれからも仲間です。」
それと同時に私は掛け声を出す。
「せーのっ。」
思いっきり息を吸い、声を出した。
これはこの前、ここに来た時にみんなで決めた事。
「「「「「「「「「おかえり。」」」」」」」」」
そう。これが計画。
春に"おかえり"を皆で言うこと。
春は自分がここに戻っていいのかと不安になっているに違いない。
だから、皆は"待ってた"という意識表明をしないと春の心は安心しないんじゃないかと思う。
春は、ここの仲間だよ。
もう私達は卒業して喧嘩には参加は出来ないけど、仲間には変わりない。
『っっ。』
最近、涙脆いなぁ、、、春は。
それだけ嬉しかったってことだよね。
じゃあ、作戦は成功かな...?