私達は星竜に様子見をしに行った。
全然変わりなく、元気そうだった。
特に大きい喧嘩はなく、「心配しないでください。」と言われた。
「ほんとっ?!でも、気をつけてね。もし何かあったらすぐに駆付けるからね!!」
何か嫌な予感がしたので念の為こう言っておいた。
私の嫌な予感が当たっていたことに気づくのはもう少しあとのお話。
春side
俺はたまに裏の情報を探っている。
花の情報もたまに漏れようもしていることもある。
俺がいつもギリギリ止めているんだがな。
花の情報を流すなんてぶっ殺したくなる。
『花が危険な目にあったらどうするんだよっ。』
忘れたくても忘れられない。
守りたくても守ってやれない。
俺は花から離れたから。
だったら、こういうやり方しか俺には考え出せなかった。
『嘘だろ、、』
俺は花の他にも色々調べていた。
例えば星竜のことも。
そんな時、驚きがたい情報が手に入った。
"新谷組が星竜へ。NO.1の座がついに...''
新谷組か。
上位の暴走族のどっかと新谷組が繋がってたような...。
ヤバいぞ、これはヤバいことになる。
暴走族と違って、喧嘩じゃない。
殺し合いだ。
組の世界は"殺し合い''で成り立っている。
組は人数も尋常じゃない。
そんなヤツらに星竜は勝てるのか...?!
『っっ。』
5月20日。
しかも今日かよっ。
俺は定期的にしか情報収集していないため、情報が手に入るのが遅い。
『チッ』
俺には助けない。という選択肢はなかった。
だって一瞬でも俺の居場所だったところだ。
助けないわけが無い。
そんなの無礼者に過ぎない。
俺は帽子にマクス、メガネをつけ、星竜の所へ向かった。
ここの大学からだとどう頑張っても5時間はかかる。
まだ、マシだな。
情報では夜の10時半からと書かれている。
ギリギリ間に合うか...。
みんな無事でいろよっ。
駅からタクシーに乗り換え、星竜付近までで下ろしてもらった。
『ありがとうございました。』
あ、この公園懐かしいな...。
花とよく話した場所。
そろそろ変装しないとな...。
俺は帽子にマスクとメガネをつけた。
『行くか。』
何も考えなかったが俺は今現役では無い。
下手したら、俺がやられてしまうかもな。
もしかしたら、死んじまったりしてな...。
『ハハッ』
誰も俺が死んでもなんとも思わないよな...。
死ぬ時には花の顔を見たい。
やっぱり俺は花を求めてるじゃないか。
花を考えない日なんかなかったよ。
正直に言うとこうだ。
あぁ、ダメだな、俺は・・・。
『着いた。』
数分で倉庫に着いた。
倉庫内では少し荒れた音をしていた。
『大丈夫か?』
すぐにサポートに入る。
コイツは見たことないな...。
新人か...。
『よく耐えたな...。』
こんな多い人数をよく耐えきれた。
見たところ100人はいる。
それに加えて名前も知らない暴走族。
新谷組の配下か...?
結構いるな...。
「お、お前誰だよっ。」
俺は渡辺 春だけど?
まぁ、ここじゃ名乗れない。
俺はここを出ていった人間だ。
『俺はお前らの味方。』
そうとしか言いようがない。
『お前、前見ろっ!来るぞっ!!』
新人くんも中々やるが遅いな...。
これで50人。
最近、喧嘩をしてこなかったせいか動きずらい。
もうちょっと早く動きたい。
星竜の奴らも頑張っているおかげで3分の2は片付いた。
でも、残りのヤツらは多分相当強い。
あと80人。
星竜もだいぶんやられている。
俺だけで何とか持つか..!?
もう1人ぐらい強いヤツがいれば・・・。
その時だった。
「大丈夫っっ??みんな!」
俺が1番会いたかった人の声だった。
『はな...。』
今は距離も離れていて、俺自身ビックリしていて声がでなく、口パク状態で名前を口にした。
俺の声は全然出ていないので誰にも聞こえてないだろう。
久しぶり...だな.......。
まぁ、俺は変装をしていて気づかれないと思うが。
そして、再び争いが始まった。
花が居るおかげでとても楽だ。
周りの配慮もして、ケンカをしている。
組相手に。さすが元総長だな...。
それは花の才能だ。
「みんな後もう少しっ。頑張って!」
この声で皆は元気になる。
安心する。希望が見えてくる。