今日は色々知れた。
花のことについて。
もちろん、衝撃は受けた。
今はまだ頭が追いつきそうにもない感じもする。
だけど、花が話してくれて嬉しかった。
明日、彼に逢いに行くのかな?
そしたら、私もちゃんと協力できるように頑張ろう。
「花、そろそろ寝よっか~?」
花もそれに頷き、2人で就寝する準備をする。
「電気消していい~?」
「「おやすみ~」」
そして、眠りについた。
end
今は5時半。今日は色々準備しないといけないし少し早く起きた。
きららはまだ寝てるし起こさないようにそっーと、そっーと歩く。
私はカツラを被り、そして、カラコンをし、なおかつ厚いメガネをかける。
うわぁ、やばい。
変装なしでも不細工なのに変装したら余計に不細工だ。
見た目は陰キャに見える...。
まぁ、地味子とか言うやつだね。
寮を出る時にはマスクも。
鏡で見ると顔がほとんど隠れて見えない。
もうマスクをしたら誰だかわからない。
地味子と言うより遥かに超えてる"何か"。
春もこれで気づかないよね...。
「んん~ふぁぁ~。」
私が変装完了の数分後にきららは目を覚ました。
「おはようっ、きらら。」
「・・・ん?ふぁ?えぇ?誰れっっ??」
誰だか分からないくらい変装は完璧みたいね。
「フフッ、花だよ。変装してるの。」
まだ寝ぼけているのか、理解ができていないようで...。
それか、この"何か"のせいか。
「ん?は、は、はなぁー?!...」
数分後・・・。
やっと分かったみたい。
昨日、きららに全てを話した。
私に協力にしてくれるって言ってくれてよかった。
そして、話を聞いてくれて受け止めてくれて・・・。
本当に感謝しかないよ。
ありがとう、きらら。
「きらら、早くっ遅れちゃうよぉ。」
遅刻しそう。
早くっ!
「んぐんぐ。」ときららはパンを口に詰め込み支度を始めた。
「きらら、ここを出たら私の名前は星花だよ。これでよろしくね!」
念の為、もう一度言う。
私が変装している時は星花。
してない時は花。
そんな感じかなぁ。
特に春の前では絶対に星花でいかないとっ。
じっくりと攻めていかないと。
「お待たせぇぇ~準備出来たよぉ!ごめんね。」
いいよいいよ。急いでたしね。
「さぁ、行こっかっ!」
あ、マスクだ。すぐさま思い出してマスクを付けてから寮をでた。
「・・・」
視線が...。
視線が痛い。きららは可愛い。それもとても。
そして、今の私は地味子。そして元々だけど超ブサイク...
「き、きらら...。」
「ん?なぁに~?」
きららは気づいてない。この視線に。
ある意味凄い...。
「視線が...。」
それだけで伝わるよね?
でもそれは違った。
「視線?気のせいだよ。誰も見てないよぉ?」と言ったのだ。
いやいや。普通に見られてますよ。
私の地味子を遥かに超えた"何か"を見ているのか、きららの可愛さをみているのか。
それとも、私達の差を見ているのか...。
きららは天然だなぁ...
可愛いうえに天然とかモテるよね。
絶対に...。私はモテたことないのにぃ~。
「そ、そっか。気のせいかぁ。」
私はきららと同じように思うことにした。
その方が楽だしねー。
私ときららがそんな話をしている時、悲鳴が上がった。
「キャー、王子だわ!」
王子?
「あのクールさが良いのよねぇ。」
クール?昨日聞いたような...。
「王子のお通りよ。道をあけなさい。」
誰ですか?何様ですか?
私達にその女子は言った。
反抗する方が時間の無駄なので道をあけた。
そして、その王子が道を通っていく。
『うざい。』
そう女子達に言い残して。
「春...。」
王子。それは春の事だった。
後から噂を聞けば、クールイケメンな春を王子と女子が呼びたし、それが広まりこうなったらしい。
そこには王子親衛隊などが作られ、同学年だけではなく先輩もいるそう。
春。人気者になっちゃった。
サークルで近づくしかなさそう...。
そんな事を考えているときららが「え?春って?」と言ってきた。
そう言えば詳しく言ってなかったかも。
私達は人気のない場所に行き、その事を話す。
「あのね、実はさっきのが私の好きな人なのっ。」
好きっていうより"愛してる人"の方が合ってるけど...。
「えぇー?!あの王子が?」
ときららは驚きを隠せないみたい。
「そうなの。だから、春の前では私の正体がバレないように...」
「大丈夫。任せてっっ!絶対バラさないようにするっ!!」
とても張り切っている。
でも、大丈夫かなぁ?
ちょっと不安だなぁ。