何億もの星に想いをのせて。〜何度だってあなたを〜


私は歌を歌う。

一生懸命考えてギターで弾き語りをした。


ーーー

春が咲く頃に。



ねぇ、私達がで会ったのも春だったね。

また、星を一緒に見よう。

海の見える星。

夜桜の下の星。

沢山の約束を交わしたね。


でもね、あなたが居ない。

あなたが居ないとこの約束は成り立たない。

恋しい。会いたい。愛してる。

ずっと星に願ってるよ。



あなたは私を忘れたの?

もうどうでもいいの?

私は忘れられないよっ。

あなたしか愛せないもの。

この先、あなたが私の前に現れないとしても私はこの想いを伝え続けるよ。

何度だってね。諦めない。

諦められないんだよ・・・。



でもね、あなたが居ない。

あなたが居ないと私は幸せになれない。

憎い。そんな感情どうでもいい。

早く逢いに来て。



ねぇ、また約束を交わして。

私達の共通の桜。

桜の咲く頃に待ってるよ・・・。

待ってるからね、


愛おしい君へ。


ーーー



精一杯想いを伝えた。



ねぇ、春はどう思ってる?

もう私のことなんて忘れちゃった?

どうでも良くなった?

他の女の子が出来ちゃったかな?



私は探しつつ、不安も抱き始めた。

だって会えない分、不安になる。

あなたは私の事なんてっ、もう・・・。



この歌は有名になった。


本当に切なそうに歌うね。

天使の声だ・・・。

これ実話かなぁ?

この歌の主人公の女の想いがすごく伝わってくる。

実話だったら、男の子!会いに行ってあげて!!!


色々な声が上がった。

もちろん皆も見てくれて嬉しいけど、

私が見てほしいのは1人だけ。

1人だけでいいの。





春、あなたに私の想いは伝わりましたか?




春を探し始めてから1年半。


色々な事があった。

金龍との同盟。

春が居ないけど...。

私達はこの次の代の星竜の皆のため春のいない時に同盟を組むとなった。

そして、
星竜の引退式。

これも春がいない。

私の心にポッカリと空いている。

春、私の心の隙間を埋めてよ。

あなたしか埋めれる人はいないのっ。

私にはっっ・・・。






私達は高校を卒業でき、皆は就職したり実家を継いだり、大学に行ったりと

皆進路が別々になった。


でも、絆がある限りこの関係が崩れることは無い。


そう願う。




私はこの春から、

ここからとても離れた大学に行く。

そして、そこの大学で寮生活をすることになっている、、、


緊張するっ。友達出来るかなぁ。


なんて言ってる人もいた。


確かに緊張するよね。

友達出来るかな?私も思ったよ。

でも、それよりね・・・寂しい気持ちの方が強いの。

春が居ない寂しさの方が何倍も強い。

私にとってはね。


おぉ~、広い。大きい。

この学校はやっぱり大きい。

前に1度、ここを見に来ていたの。

人も多かったぁ。

私はその時も春が居ないか探してしまう。

もう癖だよね。

知らないところに行くとよく周りをキョロキョロとしているらしい。

翔がよくそんなことを言っていた。

私も最近はそうなんだって思ってきた。

前まで無意識だったけどね。


私は入学式を済ませ、自分の指定された教室に行こうとした時。

声をかけられた。

「ねぇねぇ、あなた名前はっっ??」

好奇心旺盛の女の子だ...。

名前?あぁ、えっと

「私は有村 花です。」

春のことを考えていたから、私はそこまで元気がない。

あまり笑顔で笑うことも出来ないし。

「花ちゃん!よろしくねぇ~ってなんで泣いてるの??」

泣いてる?私が?

私は自分の頬を触って確かめてみる。


「ほんとだ...泣いてるっ...。」

「どうしたの大丈夫っ?」

優しいなぁ。この子。

なんで泣いてるの、私は。

ううん、本当は分かっている。

泣いている理由くらい。最初から分かってる。

それは・・・

もう春に会えないかも

ということ。私は今まで会えると信じて頑張ってきた。

1年半も。でも見つからない。会えない。

ほんとに見つかるのか不安になってきたから。

でもね、泣いてもしょうがないの。


泣くくらいなら探さないといけないのに...。

どうしよう、涙が止まらないっ。

「ヒックヒック...ッ...ウッ...ヒック...。」

横でこの子が心配している。

悪いなぁ。第一印象も最悪になっちゃった。


ごめんね。すぐに泣き止むから。


私はそう言うけど10分泣いたままだった。