音もなく、ごく自然に彼はドアをすり抜けていく。入るには彼女の許可がなければいけないが出るときには許可は必要ない。それはルールであり彼女の能力の限界でもあった。
視界を滲ませつつ彼女はその場にへたり込む。彼が無事にやり遂げるのを祈るしかなかった。
吹きつける風がガタガタと窓を揺らし、彼の名を呼ぶ美冬の声をかき消した。
視界を滲ませつつ彼女はその場にへたり込む。彼が無事にやり遂げるのを祈るしかなかった。
吹きつける風がガタガタと窓を揺らし、彼の名を呼ぶ美冬の声をかき消した。