「……まだ探していたの?」
「うん。諦める訳にはいかないよ。僕たちはあのときから時間が止まっているからね」
まっすぐな眼差しには力があった。悲しさの裏側にある決意、思い出の底にある後悔。それはもしかしたら美冬にもあったのかもしれない。
彼女は聞いた。
「いつ行くの?」
「明日の朝の便で出るよ。それから政府の船に乗り換えて島に向かう」
「……」
美冬は噂を耳にしたことがあった。星神島は政府の連絡船でしか行けない特別な島だ。
そして、島に足を踏み入れたら二度と出られない。
つまり……。
「もう会えないのね」
「違うよ、僕はまた出会うために行くんだ。そして今度は君の手を離さない。どんな犠牲を払ってでも……」
「無茶はしないで」
「大丈夫」
彼は誇らしげに青リンゴのワッペンの形をした「それ」を見下ろした。そっと手で撫でる。きらきらと宝石が呼応した。
「うん。諦める訳にはいかないよ。僕たちはあのときから時間が止まっているからね」
まっすぐな眼差しには力があった。悲しさの裏側にある決意、思い出の底にある後悔。それはもしかしたら美冬にもあったのかもしれない。
彼女は聞いた。
「いつ行くの?」
「明日の朝の便で出るよ。それから政府の船に乗り換えて島に向かう」
「……」
美冬は噂を耳にしたことがあった。星神島は政府の連絡船でしか行けない特別な島だ。
そして、島に足を踏み入れたら二度と出られない。
つまり……。
「もう会えないのね」
「違うよ、僕はまた出会うために行くんだ。そして今度は君の手を離さない。どんな犠牲を払ってでも……」
「無茶はしないで」
「大丈夫」
彼は誇らしげに青リンゴのワッペンの形をした「それ」を見下ろした。そっと手で撫でる。きらきらと宝石が呼応した。