「クリスマスの食事は。ちょっと豪華なんだ」
「ほんとに?」
「チキンやカップケーキが出る」
「へえ~!」
「それから。宴会があったり」

 お酒、飲むんだね。

「たくさん飲む?」
「それなりに」

 なんだか思ったより楽しそう。
 規律だらけの、堅苦しい人たちの集団かと思ったけど違うみたい。

「ねえ。普段は、休みの日になにしてるの?」 
「特になにも」
「そんなことないでしょ。ほら。あたしと出逢った日は外出してたし」
「ああ。あの日は――……」

 大地くんがなにかを言いかけて、口を噤む。

「どうしたの」
「いや」

 しまった、という顔をされる。

「教えてよ」
「……コン」
「え、なに?」
「合コンに行ってて。その、帰りだった」

 バカ正直に答えてくれてありがとう。
 うん、でも、知りたくなかった。
 そっか。大地くんもそういう遊びするんだ。それなりに女慣れしてるんだ。
 合コンに行った割には、門限を気にして帰ってたあたり、かわいいけどさ。

 ――……ショック。

 なんだ、普通に、25歳じゃん。

「楽しかった?」
「そんな余裕ねえよ。先輩たち立てるのに神経使うから」

 先輩ってことは上司?
 そういう気遣いできるのはカッコいいけど、先輩いなきゃ楽しむの?