背後から抱きよせた無防備な美香の首もとに顔を埋め、柔らかい肌にキスをする。

「なあ。……さすがに、絵面的にヤバくないか」

 これまでの我慢をすべて無駄にするくらいには。
 人として。男として……
 メイド姿の18歳に欲情するとか終わってないか?

 こうなるなら私服か、せめてパジャマのときがよかったが?

「だいじょーぶ、だよ?」

 いや大丈夫なもんか。
 自分を客観視して軽く引いてる。
 なにやってんの俺。

「いいか、これは。あくまでメイドでなく。お前にしてんだからな」
「大地、くん」

 今呼ぶなっつーの。

「っ」

 髪を撫でて耳を甘噛みすると、美香が小さく可愛く鳴いた。

「指輪でもいいと思った」
「……へ」
「ただ。誕生日と、いっしょくたにするのもな」

 婚約指輪は、別のタイミングで贈らせてもらうわ。

「大地くん」
「ん?」
「口にも。……して」