「あのー……皆で黙るのやめてよ。あたし自分映ってる動画見んの、ひたすら恥ずい」


僕も、作業を止めて見に来たりょーちゃんも、作った本人のケンゴですら、ガッツリ美矢の弾き語りが刺さって動きを止めてしまっていた。


「何か、映像で自分見ると見た目も歌声も子供っぽ。ケンゴの編集は凄いけど、あたしは被写体向きじゃないね」

「そんなことない!むしろ美矢ちゃんが初めてのちゃんとした作品の被写体で良かったし!これからも撮らせて欲しいし美矢ちゃんのチャンネル作らせて欲しい!ね!お願い!」

「え、あ、うっ……ケンゴ、ゆっくり。ゆっくり。マシンガン過ぎ」


自分を卑下した美矢に間髪入れず色んな感情をぶつけ、最後には自分のお願いをしっかりしてしまうケンゴは、最近気づいたけど結構頭脳派。


「チャンネル?……うーん、あたしが?猫動画の方が伸びるよ」

「俺、収益より作りたい作品を生み出したい!今の俺にとってはそれは美矢ちゃんなわけ!お願い!」


どうやら、すっかりケンゴのクリエイターの部分をガッツリ刺激してしまったらしい美矢は、ほとんど土下座のようにお願いするケンゴにたじたじだ。