「俺は君がまだ赤ん坊だった頃から知ってるんだよ?俺の大事なラプンツェルを盗んだ馬鹿な親から君を買ったんだ。それからずっと大事に育ててきたんだよ。絶対に離さないと誓ったんだ」

そう言い、お兄さんの顔がグッと近くなる。その瞬間、唇に柔らかい感触がした。

私が戸惑っている間にお兄さんは私にキスを繰り返す。優しいものではなくだんだん激しくなっていく。思わず苦しくて私はお兄さんを突き飛ばしていた。

「……何、その反抗的な目。ちゃんと躾し直した方がいいのかなぁ?」

不機嫌そうにお兄さんは言う。私は「そんなつもりじゃ……」と俯いた。唇にキスなんて初めてで、どうしたらいいかわからなかったんだ。

「俺に逆らったらどうなるか、きちんと教えてあげるよ」

そう言い、お兄さんは魔法の杖を空中に向かって振る。その刹那、私の目の前にゴトリと音を立てて何かが落ちてくる。腐敗しきった肉の塊だ。ひどい臭いに私は吐き気を催す。