「…お前ムカつく」






ボロットはドアの方へ向かって、そのドアを開けた。






あ…こら、また出るつもりじゃ…。






「っ、おい!」






「大丈夫です。ワタシはそんなドジしないので。というか逆に伊織サマが落ちそうなんで失礼します」






なんで俺が落ちるの確定してんだよ!






というか…本当は……ここにいてほしかっただけだし…。







落ちそうだからなんて、口実だし……。






ガタガタガタガターン!






え、まさか本当に落ちた?






そう思ったら、焦りと心配が勝って、俺はボロットのところへ駆けつけた。






「……は?」






ほ、本当に…落ちてる……?






「…あ、あはは…? ドジ、しちゃいましたね……」






その言葉に、何かがブツリと音を立てて切れて。






「あははじゃねーよ! アホか! アホなのか!」






と、暴言を吐いてしまった。






「いえ、アホじゃなくてバカです」







「どっちでもいーわ!」






「…もしかして、心配、してくれてます?」






しんぱ…っ⁉︎







どんどん頬が熱を持っていく。






その通りだけど、というかこんな状況で心配しないのなんて悪魔しかいないけど…。






素直な気持ちよりも恥ずかしさと怒りが勝ってしまって、「し、心配なんかしてねーよ! 音が大きすぎて宿題が手につかなかっただけだし!」と、意味のわからないことを言ってしまった。






「えぇと……、ごめんなさい」






イライラが募る。






なんで謝る? 意味がわからない。