じーーーーーーーっ
え……なんかめっちゃ見られてる…?
俺なんかしたか?
「は? 何見てんの? 言いたいことあんなら言えよ」
うわー、こんな態度取るから友達いねーんだよ! 俺の馬鹿!
「…いえ……」
イラッ
お前もちゃんとなんかあんなら言えよ。
じーーーーーーーっ
……ホント、なに?
「視線が! 刺さって! 集中できない!」
って…視線が刺さるってなんだよ…。
「…はい」
何も突っ込まずにボロットが『はい』と答えたことに、思わず吹き出しそうになった。
だけど、急に立ち上がると、ドアの方へ行ってしまった。
「は? なんでこの部屋から出ようとしてんの?」
「…え?」
「ここにいろよ。間違えて階段から転げ落ちるかもしんねーし」
って、俺なんか軽く馬鹿にしてね?
「…そんなことあります?」
俺はあるんだけどな…。
「伊織サマくらいじゃないですか? そんなドジは」
一瞬、心が読まれたのかと思った。
「……」
恥ずかしさと羞恥心でどんどん顔が赤く染まっていく。
「お前……ふざけんな! 俺様がそんなドジするわけないだろ!」
『俺様』ってガキだな…。
「………そんなドジ一回しかしたことないから」
正直に言ったら、笑われるかと思ったけど、ボロットは「『そんなドジ』するんじゃないですか」と言うだけだった。