「リレーどぉだった?」

保健室の先生に聞かれた



「1位!」

上杉が答えた




「おー、すごいじゃん!」



「ね!」

上杉が私を見た




「うん
上杉のおかげで1位なったね」




「オレのおかげじゃないから
みんなでがんばったから
折原も抜いたじゃん!」




「うん
最初抜かれたけど」




上杉の声が聞こえたから…


前…って


がんばれ…って




前を見たら

前にどんどん進める気がして




上杉が見えて



上杉に近付きたくて…



上杉に届けたくて…





「初めてかも…
人を追い越したの」



「え?」



「初めて人を抜いた
運動会でもマラソン大会でも
抜かれてばっかりで
追い越したことなかった」



「は?」



「速い人には、わかんないでしょ
なんか、すごい、嬉しいかも」



私は
すごく気分がよかった



「へー、よかった…」



「たぶんね、上杉が
アイス当てた時みたいな…
そんな気持ちだよ!」



「あー、なんか、わかった…
うん、わかった…わかってきた」



上杉と気持ちを共有できたことが嬉しかった



上杉とハイタッチした





「楽しそうね」


先生が微笑ましく見てた