校舎に入った私たちは唖然とした。
「……。」
「……。」
私とお兄ちゃんの目の前には、とてもキレイな玄関があった。
玄関っていうか、靴箱かな。
ほんとにキレイ……。
なんなんだここはっ。
「あ、あの……」
あまりにキレイな靴箱に見とれていた私たちはみんなの邪魔になっていたのに気が付かなかった。
「あ、すみませんっ。」
私があわてて謝罪しながら移動すると、
「うわぁ、おいっ」
おそらく男子だろうと思われる低めの声が耳元で聞こえて、ゾクゾクっとしたと同時に誰かが倒れたような物音が聞こえた。
「お、おいおまえ、周りちゃんとみろって……。
大丈夫か?」
お兄ちゃんの焦り声。
え、何が起きたの……?
私はふと視線を下に向けると、自分でも顔が赤くなっていることを感じた。
「?!?!ちょっ……」
なんと私にぶつかろうとしてよけて倒れてしまったらしい男子が、私のスカートの中がはっきり見えるような位置にいた。
ちょー恥ずかし……。
入学式そうそうこんなことって……。
私の今日の運勢最悪かよ!
も〜泣きたい。
私があわてて離れると、その男子はひょいっと立ち上がってこう言った。
「水色スケスケパンツ……」
はー?!私そんなの履いてないし!デタラメなんて言い出して!なんなのこの人。
あーもう周りの新入生もくすくす笑い出すし……。
「勝手に妄想しないでっ。
ピンクのケイトパンツだしー!」