「今日は父さんが車で送ってってやるってよ」
「おー、それはありがたいなまじで」
「明日からはちゃんと早起きしろよなー」
はいはい……と言いながら俺は手で「あっち行け」のジェスチャーをした。
俺んちから高校までは結構遠いんだ。
明日からは自転車通学になるだろうけど、今日は入学式だから親が送ってくれるらしい。
まぁ、子供の晴れ舞台だからな。
俺は母さんがいつもより少しだけ豪華に用意してくれた朝ごはんを急いで食べ、父さんが運転する車に乗り学校へ向かった。

30分ほど車に揺られたあと、やっと俺と奏斗が通う高校についた。
「じゃあ、後でな」
そう優しく言ってくれた父さんたちと別れ、俺と奏斗は靴箱にむかった。