「わーおわお」
部活が終わり片付けの時間になってから、俺は隙を見て野口に話した。
松川と陽葵のこと。
俺が陽葵を好きなこと。
あんま言いたくなかったけど、こいつは割とそういう観察力がある。
俺が陽葵を好きなんじゃないかって勘づいてたし。
だから不本意だけど、ほんの少しだけ相談しようと思ったんだ。
「あらあら宗司きゅん、やっと自覚したのねぇ!」
「……」
にまにま憎たらしい笑顔を見せてきた野口の脇腹を殴る。
野口は「ぐはっ」と大袈裟に食らった素振りを見せるが、俺は無視してネットを持ったまま倉庫へ向かった。
……こいつに相談した俺が馬鹿だった。
「ごめんって宗司ー!」
「うるさい」
「だーって正直びっくりしたんだもん!」
「だもんとかキモ」
「うわめっちゃ当たりキツくなった!そんな怒んなって〜」
「……」
ネットを棚に片付けて、俺は大きく溜息をついた。
……こんなことでイライラすんのもかっこ悪い。
自分から野口に話してるんだし、このくらい予測はしてた。
野口はアホだしな。
「で、宗司は告んの?」
「……は?」
野口の言葉に反応して、思わず足元にあったバケツを蹴飛ばしてしまった。
野口は「あらら」とバケツを拾う。
……告白?