そして、これまでの間に大きな変化があった。なんと、今私のお腹の中には新しい命が宿っている。最近判明したばかりだ。

 喜んだ景虎は、早速色鮮やかな絵本を何冊も購入してきた。お腹の子に向かって読み聞かせをする姿は、かつての冷徹副社長を知る人物が見たら驚愕するだろう。

 私はそっと、まだ膨らんでいないお腹をなでる。

 景虎に渡した本は、まだ大事に書斎に保管されている。この子にいつか、カバー裏の秘密を話す日がくるのかな。

 私たちの物語を子供に話す想像をすると、じんわりと胸が熱くなる。それは泣きたくなるくらい幸福な想像だった。