HR。担任が入ってくる。名前知らない。
机にうつぶせながら、何事もないように過ごそうとする。

「今日は転校生がこのクラスに来た。紹介する。」

その声は軽く聞き流す。それにしても転校生ねぇ。時期は置いといて帰りのホームルームねぇ。こういうのって朝じゃないのね。まあ私はこれから先も絡むことはないだろうし、関係ないのだけども。っていって、恋愛小説とかだったらこういう時この転校生がきっかけで私は変われてくっついてハッピーエンドとかなんだろうなーとか柄にもなく考える私は、少なかれ変わりたいと思っているのかも入れない。

「東野冬馬です。よろしく!」

好印象の青年のあいさつが聞こえる。こいつはモテる。他人に興味のない私が断言する。
隣の席の人、お疲れさまだな。と思いながらくつろいでいると恋愛小説あるあるで、こいつは隣の席だった。そうだ私、いままで隣居ないんだった。とか一人でコントみたいなことをしていたらお隣さんが椅子を引く音が聞こえる。