なんやかんやで、隣人こと…あれ、名前なんだけ…

「東野冬馬ね。」

「あー、そうだったね」

まああんまり覚える気はないけど。

「秋野さんて神崎さん以外に仲いい人いるの?」

「別にあなたに関係ないと思うけど?」

こういう初めて話す人とのテンプレ的会話面倒だなって思う。
そうだよって言えば、なんで?って聞かれるだけだしそれこそめんどくさい。
だからって他に仲のいい人がいるわけでもなければそもそもこの人にはそんなこと関係ない。

「あ、俺いいこと考えた!」

いや、聞くだけ聞いて放置ですか・・・?

「俺と友達になろうよ!」

いや、どういう流れでそうなったんですか?

「いや。」

「え!なんで!?断られたの初めてで悲しいなぁ…」

あからさまにしょんぼりしながら私を見てる東野君。
だけど私はそういう手には乗らないんだよな…。

「私向こうだから。じゃあ」

「まってよ。送って…」

「こないで。」

こういう、なんでもないのに彼氏ぶるようなことをする奴が私は一番苦手だ。
そのまんま東野に背を向けたまま帰った。

そのあと東野が追いかけてくる気配はなかった。