「弥代さん、朝はどうする?
俺、簡単な物なら作れるけど」



……ちょっと待って。

え、ほんと、こんなキャラだった?亜雁くん。


目の前できょとんとしてる亜雁くん、もしかして亜雁くんじゃない?


どう答えるのがベストなのか戸惑っていると、亜雁くんは私のリュックへと視線を落とし。



「コンビニで食事買える金は、ある?」




うっ、と。

これには言葉を詰まらせるほかない。


お金は、あまり使いたくない。

バイトをしてて貯めてたけど、最近やめたし。


それに正直言って、まだ現状に追いつけていない。

というか、現実逃避したい。内心。



だって、女子の注目の的である亜雁くんの家に偶発的ながらも上がれたってしれたら、彼に憧れる女子全員から、背後からぶっ刺されそう。


めっちゃ物騒だけど。