あれ、豊田(とよだ)くんって煙草吸わないはずじゃ……。


私は、自分の目を疑った。


ジッと彼のことを凝視していると、彼と目が合った。


やっぱり、同じゼミの豊田くんだ。


豊田くんは一瞬、まずいと顔を顰めて、煙草を灰皿に押しつけ、図書館の喫煙所から出てきた。