私は、屋上に入れることをこの時初めて知った。 「じゃ、交換条件でどうですか?先生方にバラさないんで、ここ私もたまに使わせてください」 一瞬、陶山先生は渋ったような表情になったが、しばらくして、分かった、と答えた。 「ここ、実は俺が学生のときからの隠れ家なんだ。教えたの新見が初めてだから」