「ノブオ……?」 「おにつか、ってもしかして、バカコか⁈」 「バカコ言うんじゃない!」 私の名前、″佳子(かこ)″を文字ってそう呼ぶのは、友達の弟、暢緒(のぶお)だけだった。 「よく私の名字見て名前思い出したわね」 「強そうな名字だったら、アンタしかいないじゃん」 まあ、″鬼塚(おにつか)″なんて名字そうそういないからねえ……。