な?と言って、トキちゃんはエアで頭をポンポンとした。 微妙に届きそうで、届かない距離。 そんな曖昧な距離感の中に私とトキちゃんはいるんだ。 いつまでも。 僅かにキラリと見えた左手の薬指。 お母さんが時人(ときひと)くん結婚するんだって、ってこないだ言ってたっけ。