「なんかイライラする!それちょーだい」 「あっ、それ結構苦いよ?」 私は岡井の持っていた煙草を奪い、それを自分の口に入れた。 初めて煙草を吸った。 こんなにも苦いものなんだ。 でも、嫌いじゃない。 それはなんでなんだろう。 「また10年前みたく写真撮ろうよ」 「……仕方ないなあ」 私は岡井と自撮りで写真を撮った。 その距離は確実にあの時よりも縮まっていた。