何億もの星に想いをのせて。〜キミには敵わない〜



「でも、それだけじゃない気がするよ。何か起こりそう。」


うん、そうだな。


『俺もそう思うよ。きっと何か仕掛けてくるんだろう。』


みんな俺達2人の会話に頷く。



「とにかく、下っ端の体力つけてあげて。それと、出歩く時は下っ端4人は行動して。幹部以上でも2人以上で行動。あとは、様子を見よう。」


今朝言ったことちゃんと考えてくれてるな。

肝心なときには、ちゃんとする。


頼もしい総長だ。

俺も一応考えたが、全く同じ事を考えていたようだ。


「みんな、この1週間気を引き締めて行こう!!」


明るく、振舞ってるけど、ホントは不安なんだろ?

みんなを心配させないようにって。

自分はどうなってもいいけど、他人はダメって言うタイプだもんな、お前。

あとで、言ってやるか。



「じゃあ、翔。下っ端にさっきの事報告して来て、そしたら今日は解散。」


こうみたら、ちゃんと立派な総長だよな。

みんなお前に着いていくのが分かる気もするよ。

じゃあ、なぜお前はあの時っ。

そう思っている時、「春正、帰ろ?」と花が言う。

もう報告してきたのか。早いな。

俺達とは、帰る方向が違う3人は

歩夢と陽は2人で。

翔は下っ端と帰っていった。



『うん、帰ろっか。』


「ねぇ、ちょっと公園寄らない?」と花が言う。


疑問に思ったが、『いいよ。』と言うことにした。

公園か。久しぶりだな。

昔もお前とよく公園で話したよな。


俺達は話しながら公園に着いた。


「ねぇ、あそこのブランコ乗ろ?」


子供みたいだな。お前。


『うん、乗ろうか。』


花は昔とは変わらない。

でも、俺を裏切ったのは確かだ。

それだけは。


「うわぁ〜。星が綺麗だねぇ。」


花。昔からお前は星が好きだったな。

今も変わらず好きなのか。

ホントは、昔に戻りたい。

戻れるならな。

でも、キミが犯した罪は消えない。


「星を見るとね、なんだかとても切ないの。なんで切ないのか分からないけど。何か大切な‥。」


切ないか‥。

俺も切なかったよ、あの頃毎日な。

でも、なんで切ないのか分からないのか。

そう、俺はこの時深くこと意味を考えようとしなかったんだ。





それより、大切な‥の続きが気になって。


『大切な、なに?』


「え?ううん、なんでもない。何でこんな事話してるんだろう。忘れて?」と言われて無理やりこの話題を終了させられた。


「あっ。そうだ!春正も金舞は危ないから気をつけたね?」


『うん、花もね。』


花は一応女の子だろ?

自分のこともちゃんと気づかえよ。

でも、そういう所が好きだったんだ。



『花も自分を大事にして。今日の金舞の件だって、不安だったんだろ?でも、無理して繕って笑って‥。』


それに加えて、


『お前はいつも無理するから、仲間思いだけど。大丈夫だ。俺達は勝てる。』と言ってしまった。


昔の癖で頭まで撫でてしまった。

こんなに憎い、殺したいと思っていた相手なのにっ。


『ご、ごめん。つい癖でなでちゃって。』


俺は急いで謝る。

「ううん、ありがとう。なんだか、大丈夫な気がしてきた。」と笑う。

その笑顔‥。

その笑顔で気が狂いそうになる。

だから、やめてくれ。もう、俺に見せないで。

昔、好きだった笑顔を。


『はぁ、はぁはぁはぁっ、はぁはぁっ。』と
だんだん息があがる。

胸もすごく痛い。


俺はキミが、憎いんだ。

そうだろ?俺。

憎いんだよな?殺したいんだよな‥。




「だ、大丈夫?」


やっぱりお前は変わってない。

昔と変わらず優しいまんま。


心配しないでくれ。

大丈夫すぐ直る。お前が笑顔を見せなければ‥‥。

こんな胸の痛みすぐ直る。

おちつけ。落ち着け!


『ふぅー。大丈夫。もう治まったよ。ありがとう。』