何億もの星に想いをのせて。〜キミには敵わない〜


もう最悪な夢‥‥。

あれは昔のこと。もう忘れよう。

俺が確実に言えることはお前を殺したいと言うことだけだ。


そうだよな?俺‥。


今日も1日頑張るか。

あれから、幹部になって1週間。     

今日も平凡で何事もありませんように。

そう願って家を出る。


「あっ!おはよう〜。」


「よっ!」


『おはよう。』と俺は花達に挨拶をする。

俺は、この1週間で大分、星竜に馴染んだ。

花とは、結構仲良くなった。

信用も得られてそうだし、もう少しで‥。


でも、たまに星を見上げてどこか遠くを見ているように感じる。

俺には、とても切ない瞳に見えた。

それがとてつもなく気になった。

また、機会があれば聞いてみよう。





「そういえば、最近アイツらが動き出したそうだ。」と翔が言った。


「そっかー。動き出したんだ。楽しくなりそう‥‥。」


え?楽しくなりそうって。

花っ、それは言っちゃダメだぜ...?

それで、

アイツらというのは、今星竜と敵対視している“金舞"という全国2の族だ。

今までは何もしてこなかったんだけど、最近星竜の縄張りをウロウロしているらしい。


元々、先先代の時代に一回だけ戦ったらしい。

でも、圧倒的な差だったそうだ。

もちろん星竜が強かった。

でもそれは前までの話。

今は人も変わった。結構強いらしい。

俺と花には負けると思うが。


『勝てると思うけど、一応用心しとこう。』


一応な。何があるか分からない。


「そうだな。相手の顔も分からないしな。」


「だよね〜。それは困るねぇー。」


金舞のトップは仮面を倉庫でもかぶっており、幹部でさえも見たことがないらしい。

2人ともまともな事言ってるけど、花は少し楽しんでいるように見える。






『何楽しんでんの?大変なんだよ?』


本当に大変なんだぞ。

金舞のトップの顔が分からないなんて、一大事だ。

でも、誰も見たことがないと言う。


「え?楽しんでないよ?ただちょっとだけ、最近何もなかったから、暇つぶしになるなって思って‥。」


いや、十分楽しんでるじゃん。


「お前、総長だろ。楽しんでないでちゃんと考えろ!!」


ほら、バカな翔に怒られたぞ。


嫌だろ?それは。なら、ちゃんと考えろよ!


「だから、楽しんでないよっ!策はちゃんと考える。任せて!!」


大丈夫か?不安だ。

いや、お前はどうでも良いが星竜全体がやられては困る。

みんな、いいヤツらなんだよな。

俺はこんな醜い感情を持っているのに、慕ってくれているなんて。

本当にいいヤツらだ。


『僕も考えてみるよ。心配だしね。』


今日も授業が終わり、5人で倉庫へと行く。


そして、倉庫に着いた時いきなり例の話題が始まった。

「金舞の件、どうしましょうか。」と歩夢が言った。

歩夢は情報担当みたいなもんだ。

ケンカも強いらしいけど。

この前は、「まだ、なにも書かれてませんね。」と言っていた。

今もパソコンをいじっている。

すると、大きな声で「出ました。出ましたよ!!」と言った。




「ほんとか?」


「やっと出たんだ〜。」


と翔と陽が喜ぶ。

前はまだ書かれてなかったのに、昨日辺りにいつにするか決めたんだろう。


『いつなの?』


「2週間後の1時にここに来ると言っています。」


2週間後の1時に、ここか。

来てくれるのはありがたい。


「来てくれるんだ。嬉しいねぇ〜。」



「でも、それだけじゃない気がするよ。何か起こりそう。」


うん、そうだな。


『俺もそう思うよ。きっと何か仕掛けてくるんだろう。』


みんな俺達2人の会話に頷く。



「とにかく、下っ端の体力つけてあげて。それと、出歩く時は下っ端4人は行動して。幹部以上でも2人以上で行動。あとは、様子を見よう。」


今朝言ったことちゃんと考えてくれてるな。

肝心なときには、ちゃんとする。