何億もの星に想いをのせて。〜キミには敵わない〜



「じゃあね〜。花、春正、また明日!!」


「二人ともお気をつけて。それでは。」


「俺一人かよ。寂しいぜっ。じゃあな。」


翔、寂しがるなよ。

男だろ?

「また、明日。」と言って俺達は歩き出した。

ー翔sideー


俺は一人で帰っているところだ。

今日はいろいろあったなぁ。

新しい友達も出来たし。アイツいいヤツだな。

優しいし。でも、距離を置かれているような‥。

多分だけどな。



あっ、そういえばあの時、花もなんか言ってたな。

倉庫で幹部室で春正に待ってもらってたときのことだ。


「ねぇ、みんな聞いて。」


なんだ?改まって。らしくないなぁ。


「春正が星竜に入ったじゃない?それで、彼、結構強いと思うの。だから幹部にするのはどうかな?」

花は突然言い出した。



「「「は?」」」3人の声が重なった。

は?幹部?

いきなりすぎじゃね?

たしかに、アイツはいいヤツで信用出来そうだけどさ。

順番ってもんはないのかよ?


「なんでいきなりなんですか?」


さすが冷静だな、歩夢。


「だって、強いからって言ってるでしょ〜。」


‥何かがおかしい。

花は、何を隠している?


「花、ちゃんとした理由を説明しろよ。」


そうしないと納得出来ない。


「説明かぁ‥。そうだなぁ。最初に春正に会った時、とても目が闇に染まっていたの。だから、救いたいって思って。って、そういうのは、幹部にする理由にならないか。」


はぁ、闇に染まってたことはわかった。

けどよ....他に何かあるんじゃないのか。

ちゃんとした理由が。

でも、言いたくないらしいな。

まぁ、いい。俺がカバーしたら済む話だ。


「じゃあ、幹部の誰かと戦えばいいんじゃな〜い?」


おおっ。陽。たまにはいいこと言うじゃねぇか。


「うん。そうしよう。で、もし俺達より強かったら、幹部にする。そして、暫くはちゃんと監視しとかないとな。スパイとかではないと思うけど。まぁ、勝ったらの話だけどな。」

春正には、悪いが監視は大事だ。

というか、まず勝てないだろうしな。

大丈夫だろう。





ー俺はこの時、春正を甘くみていたんだ。ー






「みんな、ありがとう。決まりね。」


はぁ、まぁいいけどよ。

花が決めたことだし。

また、明日ぐらいでも幹部と戦わせるか。


ってな、感じで話してたんだ。


でも、闇があるのか。

まぁ、みんなあるしな。

星竜に入ってる奴らもほとんどがみんな闇を抱えているだろう。

無理やりはダメだ。


また、いつか教えてくれるだろうか。

俺はお前と距離を縮めて、ちゃんとした友達になれるだろうか。


話してくれる日まで、

本当の友達になれる日まで、

俺はずっとまってるよ。





end



久しぶりだな。

こうやって二人きりで話すの。

何年ぶりだろうな。

懐かしい‥。

あの頃にっ。いや、戻りたくない。



だってキミは俺をーーー。



だから、俺はお前を許さない。



「春正、星竜に入ってくれてありがとうね。とってもいい場所だから、気に入ってくれると嬉しいなー。」


『うん。もう気に入っているよ。』


いい場所だよなー。本当に、、、。

お前はいいな。羨ましい。

俺が苦しんでいる間、こんないい場所にいたんだろ?


俺はあの暗闇で一人だったのに。

毎日、毎日。ずっーとだ。

分かるか?

分からないだろ?花には。絶対に。


『‥ねぇ花、花は後悔したことある?』と俺はあの時のことを考えていると、とっさに花に聞いてしまった。

やべっ。そんなこと聞いても意味ないのにな。

何やってんだよ俺はっ。


話題を変えようとした時、

「んー。ないよ!」と花が言った。

俺はそれを聞いて、思ったんだ。

やっぱり、俺の痛みを分かればいい。

思い知ればいい。


地獄のようなあの毎日の思いを。

死にたいよくなる毎日を。

ずっと星に願って願って願ってっ。


ずっと待ってたのに。




ーーだから、俺はキミを殺すーー





『そっか。』






俺は最初の「ない」の一言を聞いて、すぐに
昔のことを考えていたから、聞いてなかったんだ。

キミが「たぶんね。記憶のある限りではだけど、、、。」って言っていたのを。