「じゃあ、今日は遅いし、みんな帰ろ?」
そうだな。
もう8時だ。
『うん。帰ろう。』
あれ?暴走族ってバイク乗って帰るのか?
『みんな、バイクで帰るの?』と俺は聞いてみた。
「うん、いつもはね。今日はたまたま、学校から倉庫まで歩いてきたけど、基本バイクだよ。明日からは、バイク乗ってくるつもり〜。」
そうか、たまたまか。
じゃあ‥
「俺も明日から自分のバイク乗ってくるよ。」
実は俺も持ってるんだよなぁ。
親父のバイクだけど、、、。
まぁ、結構いいヤツだし。
まだまだ使えると思う。
「えぇー。春正くん、持ってるんだ?」
「これはのこれは、驚きました。」
「おう、乗ってこい!!」
陽、歩夢、翔が次々に言い出す。
「じゃあ、行こ?」と言い、花を先頭に次々歩き出した。俺もあとに続いた。
歩夢と陽はバイクらしく、翔は帰り道が違うのか、俺は花と二人で帰ることになった。
「じゃあね〜。花、春正、また明日!!」
「二人ともお気をつけて。それでは。」
「俺一人かよ。寂しいぜっ。じゃあな。」
翔、寂しがるなよ。
男だろ?
「また、明日。」と言って俺達は歩き出した。
ー翔sideー
俺は一人で帰っているところだ。
今日はいろいろあったなぁ。
新しい友達も出来たし。アイツいいヤツだな。
優しいし。でも、距離を置かれているような‥。
多分だけどな。
あっ、そういえばあの時、花もなんか言ってたな。
倉庫で幹部室で春正に待ってもらってたときのことだ。
「ねぇ、みんな聞いて。」
なんだ?改まって。らしくないなぁ。
「春正が星竜に入ったじゃない?それで、彼、結構強いと思うの。だから幹部にするのはどうかな?」
花は突然言い出した。
「「「は?」」」3人の声が重なった。
は?幹部?
いきなりすぎじゃね?
たしかに、アイツはいいヤツで信用出来そうだけどさ。
順番ってもんはないのかよ?
「なんでいきなりなんですか?」
さすが冷静だな、歩夢。
「だって、強いからって言ってるでしょ〜。」
‥何かがおかしい。
花は、何を隠している?
「花、ちゃんとした理由を説明しろよ。」
そうしないと納得出来ない。
「説明かぁ‥。そうだなぁ。最初に春正に会った時、とても目が闇に染まっていたの。だから、救いたいって思って。って、そういうのは、幹部にする理由にならないか。」
はぁ、闇に染まってたことはわかった。
けどよ....他に何かあるんじゃないのか。
ちゃんとした理由が。
でも、言いたくないらしいな。
まぁ、いい。俺がカバーしたら済む話だ。
「じゃあ、幹部の誰かと戦えばいいんじゃな〜い?」
おおっ。陽。たまにはいいこと言うじゃねぇか。
「うん。そうしよう。で、もし俺達より強かったら、幹部にする。そして、暫くはちゃんと監視しとかないとな。スパイとかではないと思うけど。まぁ、勝ったらの話だけどな。」
春正には、悪いが監視は大事だ。
というか、まず勝てないだろうしな。
大丈夫だろう。
ー俺はこの時、春正を甘くみていたんだ。ー
「みんな、ありがとう。決まりね。」
はぁ、まぁいいけどよ。
花が決めたことだし。
また、明日ぐらいでも幹部と戦わせるか。
ってな、感じで話してたんだ。
でも、闇があるのか。
まぁ、みんなあるしな。
星竜に入ってる奴らもほとんどがみんな闇を抱えているだろう。
無理やりはダメだ。
また、いつか教えてくれるだろうか。
俺はお前と距離を縮めて、ちゃんとした友達になれるだろうか。
話してくれる日まで、
本当の友達になれる日まで、
俺はずっとまってるよ。
end
久しぶりだな。
こうやって二人きりで話すの。
何年ぶりだろうな。
懐かしい‥。
あの頃にっ。いや、戻りたくない。
だってキミは俺をーーー。
だから、俺はお前を許さない。
「春正、星竜に入ってくれてありがとうね。とってもいい場所だから、気に入ってくれると嬉しいなー。」
『うん。もう気に入っているよ。』
いい場所だよなー。本当に、、、。
お前はいいな。羨ましい。
俺が苦しんでいる間、こんないい場所にいたんだろ?