『まぁまぁ、泣かないで。大丈夫。きっと出来るようになるよ。』
こう励ましせば、大丈夫か?
普段の俺なら全然こんなこと言わないが。
もう、さわやかキャラって難しいな。
めんどくさいし。
でも、続けるんだ。
「春正ー!やっぱりお前いい奴だな。」
そりゃ、どうも。
本当はいい奴なんかじゃないけどな?
小声で話していると、チャイムが鳴った。
俺達、話すぎじゃね?
もうチャイム鳴っちゃったじゃんか。
「はぁー、やっと終わった。」
いや、ほとんど話してだがな。
「やっと終わったね。」
いや、花。
俺達の会話に入ってくるまで寝てただろ?
『いや、2人とも‥。翔は、ほぼ喋ってたし、花はほとんど寝てたじゃん。』
お前ら、ツッコミ満載だよ。
なんか楽しいわ。ありがとうな。
心の中でお礼を言ってみた。
「さっ、じゃあ、倉庫行くか。」
倉庫?
あぁ、このクラス暴走族いるって言ってたなぁ。
翔もそうだったのか。
じゃあ、俺は家に帰るか。
今日は、花と仲良くなれたし。
まぁ、上出来だろ。
眠みぃーしな。
『じゃあ、俺は帰るわ。』
「ちょっと、まって。一緒に倉庫行かない?」と花が俺を誘ってきた。
「え?花。いいのか?」
「うん!ケンカ強そうだし。最近、人が足りなくて困ってるんだよね。だから、仲間になってほしーなって思ってるの。」
え?俺が?仲間に?
ちょっと、まて。
まず、花は暴走族なのか?
‥マジかよ。ケンカも出来るのか?
いや、それとも姫か?
『ちょっとまって。花は暴走族に入ってるの?もしかして、姫とか?』
素直に聞くのが1番だな。
「うん。そうだよー。まぁ、姫ではないんだけどね。それは入ってくれたら、いつか教えるよ。」
そうか、入ったら教えるか。
どうしよーか。
入った方が深く関われるし、殺しやすいか?
「とりあえず、花がそう言うんだし。倉庫に行ってから決めたら良くね?」
「さすが、翔!そうしよ、ね?」
んー。行ってから決めるのも悪くないな。
うん、そうしよ。
『わかった。行くよ。』
暴走族か、、、。
久しぶりに関わったな。
花のところの暴走族は結構有名なのか?
俺はあんまり知らないぞ?
まぁ、上位の族ぐらいは普通に知ってるが。
「こっこで〜す!!」と大きい倉庫の前で手を広げて言った。
花、お前めちゃくちゃ元気だな...。
寝てたからか。力が有り余ってるんだろ。
ていっても、デカすぎだろ?!
『デカイね。』
「まぁ、な。それより、春正。花が無理やり勧誘してごめんな?嫌なら、入らなくてもいいからな?」
意外とこう見えて優しいんだよな、翔は。
周りをちゃんとみてるし。
ケンカも強そうだ。
幹部とか?いやいや。まさかな、、、。
『うん、ありがとう。』
元々、嫌ならちゃんと断るし、大丈夫だよ。
中に入ってみると、想像がしてたより綺麗だった。
人数もとても多い。
あれ、人足りないんじゃなかったか?
二階もあるな。
幹部室とかもありそうだな。
なんで、さっきからこんなに暴走族のこと詳しいのかと言うと、親戚が暴走族の総長でたまに遊びに行ってだからだ。
まぁ、それ以外にもあるが。
『花、人数足りてるんじゃ....』
「うーん。まぁね。でも、春正強そうだし?」
適当だな。。。
まぁ、ココならいいか。
悪いところでもなさそうだしな。
『‥いいよ。俺、ココに入る。』
でも、ココの総長の許可なしに入っていいのか?
総長はだれだ?
ココには、居なさそうだな。
「入ってくれるの?ありがとう!!これからよろしくねー。」
お礼なんて言わなくていいよ。
お前を殺すためだもの。
むしろ、俺の方がありがとうだ。
‥これで殺しやすくなる。
「じゃあ、色々説明するから。上に来てくれ。」
ん?翔。まさか、総長?いや、幹部か?
『あ、あぁ、分かった。』
そうだとしたら、怖いな。
なーんてな。
俺に敵うわけないと思うけど。
「ちょっと、そこで待っててな。」と言われ俺は幹部室で待っている。
いいのか?俺が幹部室に入ってしまって。
それから10分くらいだろうか。
やっと帰ってきた。
はぁ‥おせぇーよ。待ちくたびれたよ。
ため息が出ずにはいられない。