ーキーンコーンカーンコーンー
あっ、予鈴だ。
俺は翔達と色々な話をした。
結構、良い奴らだな。
花が居たことにはビックリしたが。。。
「春正。花。教室戻ろうぜー。」と翔が声をかけてくる。
歩夢と陽は一年らしく、ここで別れるみたいだ。
それにしても、意外だな。
見るからに授業なんて受けなさそうなのに、ちゃんと受けるんだな。
『翔、ちゃんと授業受けるんだな。ちょっと意外。』
あっ、言っちゃった。ついだ。許せ。
元々、爽やかキャラは俺にとって超ムズイ。
俺は、結構ハッキリ言ったりするからな。
優しい感じに接するのは、大変だ。
たまには、ボロが出るが許せ。
そう思っていると、「プツ。」と横にいる花が吹き出した。
「確かに、そう思うよね。でも、バカに見えて、翔は真面目だよ?」
それはフォローしているのか、
それとも、貶しているのか。
どっちだ?
「おいっ。花!!バカに見えるのか?俺はっ。」
分からなかったのか?
俺はすぐにお前をバカっぽいなんて思ったけど。
なんて言えないし‥。
フォローしとかないとな。
俺はさわやかキャラだから。
『そんなことないって。大丈夫だよ。』
これでいいのか?
ちゃんとフォローできたか?
分かんねぇーけど。
「春正ー。優しいっ。ありがとうな!!」
表だけだけどな。優しいのは。
「はぁ〜。分かんねぇー。授業聞いても分かんねぇーよ。」
昼休みが終わり、今は数学の授業中。
ため息つくなよ、翔。
こっちがため息つきたいくらいだ。
なんで、こんな問題が分かんねぇんだよ。
中学生レベルだぜ?お前は高校生だろ?
授業も真面目に聞いてるのにな。
残念だな。お前。
俺から言えるのはただ一つ。
『もっと頑張れ。』
ちょっと冷たく言っちまった‥。
こういうのは、さわやかキャラじゃないのかもな。
でも、たましには本音も良いだろう。
「春正〜。」
『もうちょっと静かにっ!先生にバレるよ。』
翔は声が大きすぎるんだよ。
加減をしれよ。
また、時間があったら教えてやるか。
可哀想だしな。
頑張ってるのに、点数上がらない系の人。
たまにいるよな‥。
俺は努力したらした分だけ上がる人だけど、
あぁ、虚しい虚しい。
翔、お前っ‥もっと頑張ればいつかはわかる日が来るぞ。
「翔、私が教えてあげるよー?」と突然、会話に入ってきた。
花はさっきまで寝てたのに‥。
いきなり起きた。
「いや、いい。だって怖いもん。」
教えてもらったことあるのか?
てか、怖いって。
何でだ?
花がいるじゃん。
花に教えてもらえよ。
でも、想像もつかないな。
『そんなに怖いんだ?』
「いやいや、私全然怖くないよ?普通に教えてるし。」
うん。普通に教えそうだけどな。
花が、怖いところだなんて見たことないし。
どっちかーつーと、
ふんわりしてて。ちょっと抜けてて、よく笑う。
ましてや、怒ったところも見たことがない。
「あれが、普通かよっ?花は頭いいけど、俺はバカなんだよー。」
でも、翔にとっては普通じゃないらしい。
というか、泣くなよ。
まあ、確かに花は頭が良いよな。
『まぁまぁ、泣かないで。大丈夫。きっと出来るようになるよ。』
こう励ましせば、大丈夫か?
普段の俺なら全然こんなこと言わないが。
もう、さわやかキャラって難しいな。
めんどくさいし。
でも、続けるんだ。
「春正ー!やっぱりお前いい奴だな。」
そりゃ、どうも。
本当はいい奴なんかじゃないけどな?
小声で話していると、チャイムが鳴った。
俺達、話すぎじゃね?
もうチャイム鳴っちゃったじゃんか。
「はぁー、やっと終わった。」
いや、ほとんど話してだがな。
「やっと終わったね。」
いや、花。
俺達の会話に入ってくるまで寝てただろ?
『いや、2人とも‥。翔は、ほぼ喋ってたし、花はほとんど寝てたじゃん。』
お前ら、ツッコミ満載だよ。
なんか楽しいわ。ありがとうな。
心の中でお礼を言ってみた。
「さっ、じゃあ、倉庫行くか。」
倉庫?
あぁ、このクラス暴走族いるって言ってたなぁ。
翔もそうだったのか。
じゃあ、俺は家に帰るか。
今日は、花と仲良くなれたし。
まぁ、上出来だろ。
眠みぃーしな。
『じゃあ、俺は帰るわ。』
「ちょっと、まって。一緒に倉庫行かない?」と花が俺を誘ってきた。
「え?花。いいのか?」
「うん!ケンカ強そうだし。最近、人が足りなくて困ってるんだよね。だから、仲間になってほしーなって思ってるの。」
え?俺が?仲間に?
ちょっと、まて。
まず、花は暴走族なのか?
‥マジかよ。ケンカも出来るのか?
いや、それとも姫か?
『ちょっとまって。花は暴走族に入ってるの?もしかして、姫とか?』
素直に聞くのが1番だな。
「うん。そうだよー。まぁ、姫ではないんだけどね。それは入ってくれたら、いつか教えるよ。」
そうか、入ったら教えるか。
どうしよーか。
入った方が深く関われるし、殺しやすいか?