綾さんとそんなやりとりをした翌日、スマホに拓海からのメッセージが届いた。先日のお見合いのときに、今度はきちんと連絡先を交換したのだ。

 用件は、次の日曜日に会えないか、というものだった。綾さんと話していたこともあって、私は迷うことなくOKの返事を送った。


 休日ではあるけれど、約束の時間の直前まで仕事があるらしく、私の住むマンションまで拓海が車で迎えに来てくれることになった。


 休日にお見合い以外で男性と二人きりで出かけるなんて久しぶりだ。食事に行くと言っていたけど、どういう格好をすればいいのだろう。

 ワンピースじゃ定番すぎるし、何より着せられてる感があって私らしくない。

 あまり堅苦しくなりすぎないようネイビーのリネン混のブラウスに最近お気に入りのオリーブ色のパンツを着て行くことに決め、ようやく落ち着いた。


 すっかり身支度を終えた頃に、拓海からスマホにメッセージが入った。

 戸締りをしてマンションから出ると、見るからに高級そうな国産のSUVが停まっている。あれかな……と思っていると、案の定スーツ姿の拓海が車から降りてきた。