さすがにこの距離で、悠真先輩にシャッター音が聞こえることはないと思うので、思う存分写真を撮る。
私のスマホの中に写る悠真先輩もかっこいい。
写真も実物と同じくらい素敵だ。
画面いっぱいに映し出される悠真先輩を見て、私はホクホクだ。
この冷たい空気も寒さも吹き飛んでいく。
先輩の不機嫌そうな顔は、寒さのせいか、それとも待たされているせいなのかは分からない。
ーー後者だった場合あとが怖いけれど......。
充分、先輩を眺めて堪能した私は、そろそろ悠真先輩の前に出ようと、顔を上げて1歩踏み出した。
ーーはずだったのだけれど......。
「キミ、1人?可愛いね。俺らと楽しいところ行かない?」
いつの間にか、3人の男の人に道を遮られていた。
ニヤニヤしている男の人達は、正直きもちわるい。
クリスマスにナンパしてるなんて、寂しい人達もいるものなんだな......。