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織果と向き合い、タオルを巻いて湯船に浸かる。
お互い全身が真っ赤で、それは湯気のせいか、尋常じゃない緊張のせいか。
温ったかい湯に浸かり、この狭い湯船に織果と2人きり。
さっきまで嫉妬だの何だので騒いでたのが嘘のように心地良かった。
身体の芯からじんわりと、不安が湯船の柔らかい波に消されていく。
「・・・お前、やっぱ昼間1人でいると不安になる?」
「・・・不安ってゆーか、里桜に、早く会いたいなあって・・・学校まだ終わらないのかなあって・・・」
「そ、そっか・・・。」
「私のスマホに入ってる里桜の写真見たりなんかして、それからラインが返ってくるとどのスタンプで返そうかなあなんて思ったりして」
ちょっと嬉しそうに続ける織果。
・・・くそう、この状況で素直にそんなこと言うのはずりぃだろう!!
でもそんな織果のおかげで不思議と今は須藤に敵わないなんて思わない。
それよりもコイツを不安にさせたくない気持ちのが強くなっていた俺は瞳子の提案に乗ってやることにした。
「・・・お前、やっぱ危ねぇから昼間は須藤んとこに居ろ。」
「え?」
「アイツ1人なら信用ならんが、仲間もいるんだろ??」
「・・・・・」
「三潴の話じゃ女もいるみてぇじゃねぇか。」
「・・・」
織果が呆気に取られた表情になり、暫しの沈黙が流れる。
まだ付き合って間もないとか
この先織果がずっとこのままかもしれないとか
そんなことどうでも良くなっていた俺は自然とその言葉を口にした。