皮をパリパリに焼いた照り焼きチキンをペロリと一人前平らげた織果。
さっきまでわんわん泣いていたのが嘘のようだ。
嫌なことは全力で泣いて拒否って美味いもんはとびきりの笑顔で食う真っ直ぐな表情。
純粋なコイツを見ていると、正直に、俺が願ったからお前は小さくなったんだと話すべきなのかもしれない。
・・・でも嫉妬心からそう願ったなんて言えばコイツはどう思うだろうか?
織果は1年前、女共の嫉妬心が募りリンチされた。
嫉妬なんてのは黒い一本の糸が徐々に渦を巻いて出来上がるようなもんだ。
その渦が真っ黒に染まった時、いてもたってもいられず行動に移す。
最初は本当に些細な細い糸のようなもんなのに、いつの間にか真っ黒になるくらい嫉妬心が積もってたりして
・・・つまり、それだけ執念があるってことだ。
そんなのカッコ悪すぎだろう。
「そういや明日雨だったよな。」
「そうなの?」
「ちゃんと天気予報見とけよ。ほら洗濯もん取り込むぞ。」
「あい。」
・・・これじゃまるで母親と子供じゃねぇか。
俺らは本当に彼氏彼女になれているのだろうか??
庭の干し竿に掛かっている洗濯ものを俺が取り、部屋の中の窓際に立つ織果に渡していく。
何枚かのタオルを渡したところで織果が少し躊躇うように口を開いた。