「・・・・今日は夕飯何すっかなあ。」
「・・・・皆は来るの?」
「いや、今日は来ない。はず。」
「じゃあ、里桜と2人きり??」
「あ、ああ、そうだな・・・・。」
俺らに気ぃ使って今日は来ないとは言っていたが、頼むからアイツら唐突に邪魔しに来んなよ?!
スーパーに入ると俺の腕から下りた織果が当たり前のように子供用カートを引き出す。
「これこれ!!里桜!!今日はこの"ネズ公野郎"のカートが空いてる!!」
金色をしたふてぶてしいヤクザ顔のネズミのキャラクターカートを持ち出して来た。
興奮した様子で勝手にネズ公のカートに乗る織果。
俺は未だにこのカートを引くのが慣れないが、嬉しそうな織果の顔を見ると仕方無く後ろを押してしまう。
「里桜!お菓子コーナー先見たい!!」
「ダメだ!!夕飯の買い物が先だ!ちょうどタイムセールが始まる!!」
「・・・タイムセールとか把握してるんだね。」
それと最近織果の敬語がなくなりつつある。
何で敬語口調だったのかをハンの事件後に織果が話してくれた。
自分を捨てた親父に命令されたかららしい。
んなもん今じゃ親父でも何でもないのに、真面目に聞く必要があるのかと言ったら徐々にタメ語口調になってきた。
ちょっとずつ色んなことがいい方向に変化してるのは事実だ。