「何で?空人や海人にもよく抱きしめられてるのに?」
少しからかうような笑みの含む声で言われた。
嶋村くんがわざとこんなことするなんてっ!
「空人とかと違うからっ!……嶋村くんはそういう事しないから!」
「……じゃあ、俺がいつも空人みたいにしてたら慣れてくれるの?」
空人みたいに?
嶋村くんが……
思わず想像してしまい眉間に皺が寄る。
「え、やだ。そんなの嶋村くんじゃなくなる」
………!
思わず口に出してしまった。
げんなりと呟いたからか、嶋村くんが吹き出して笑いを堪えてる。
「くっ、俺も今、同じこと思った。くくっ」
嶋村くんが笑ってるから私もつられて笑い出した。
「何?なんか面白いことあったの〜?」
奏波と空人が馬に乗って近付いてきた。
声をかけてきた空人を見てまた二人して吹き出した。
呆れ顔の奏波が空人のせいにした。
「……あんたのマヌケ面がツボったんじゃない?」
「はあ?俺?雪姫、そうなの?」
空人に声をかけられるが……。
「ごめっ、今、無理っ」
私と嶋村くんはその後笑いがなかなか収まらなかった。