牧場に着くと、オーナーさんが用意していた鞍を着ける。
他にも馬は何頭もいるが、皆以前と同じ馬でと連絡していたから、すぐに乗れるように馬も準備万端だった。
いち早く鞍を着けた嶋村くんは馬を引いて放牧場まで連れて来た。
今日は一人で馬に跨ぎたかったのだがどうしても私の短い左足は鐙に掛けるだけで手一杯。
何度かチャレンジしたけど「無理して足の筋を痛めないように」と嶋村くんに手伝ってもらう羽目になった。
せめて奏波と同じ身長と足の長さがあれば…と考えて気落ちする。
そんな事を思ってる隙に颯爽と馬に跨がる嶋村くん。
自然と腰に腕を回されて馬が歩き出す。
…………。
分かっていたけど。
最初から一緒に乗るって決めてたけど。
やっぱり普通になんて出来ないっ!
それまでほとんど話さなくて嶋村くんを忘れようとしていた前回より、
仲良くなってやっぱり好きだと自覚してる今のほうが意識しすぎてヤバい…。